揚げ油のはね
青色の綿100%のポロシャツです。揚げ物中の油はねが胸から腹部に多数散っています。
ご家庭で洗濯したにもかかわらず油じみが残ってしまったとのことです。
クリーニング前
ドライクリーニング後
ドライクリーニングで油のシミはとれましたが、色もちょっぴり抜けてしまいました。
これはドライクリーニングの影響で色が抜けたのではなく、布地に高温の油がはねたときにその熱が色素に作用して色が変化したと考えられます。
お食事中に付けてしまった油でしたら色も薄くならずにきれいになったと思います。
しかしながら、シミになった油は酸化すればするほど落ちにくくなります。
油が酸化する要因
空気中の酸素と油が反応して起こる変化が油の酸化です。
高温 空気 光 の影響を受け、酸化が進みます。
ですので、油の保管は注意書きに
「直射日光を避け、常温で保存」「常温、暗所保存」などとあります。
揚げ物に使用した油は、酸化が進んでいることになります。
油染みのついた衣類にあてはめてみると、
高温:温水での洗濯、乾燥機、アイロンがけ
空気:シミが残ったままの着用、放置
光 :シミが残ったままの着用、外干し
などでしょうか。
また油の種類によっても酸化のしやすさが違います。
次に、その分類を記します。
乾性油、半乾性油、不乾性油
油はヨウ素価により、乾性油、半乾性油、不乾性油に分類されます。
ヨウ素価が高いほど酸化しやすく、酸化が進むと固まります。
乾性油
空気中で完全に固まる油
ヨウ素価 130以上
亜麻仁油・サフラワー・えごま油・クルミ油
油絵具やワニスなど
半乾性油
空気中で反応して流動性は低下するものの、完全には固まらない
ヨウ素価 130から100程度
コーン油・ゴマ油・大豆油など
不乾性油
空気中で固まらない
ヨウ素価 100以下
オリーブ油・落花生油・椰子油・椿油・菜種油など
乾性油、半乾性油、不乾性油 の順番で酸化しやすいです。
ですのでシミになってからの条件が似ていれば、亜麻仁油はオリーブ油より落ちにくいということになります。
いずれにせよ油のシミに限りませんが、衣類には早い処置が必要です。
ご利用ありがとうございます。
参考
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最寄り駅:元住吉(東急東横線 東急目黒線)
電話 : 044-422-5761
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